「戦争法案」の廃案を求めるアピール

「戦争法案」の廃案を求めるアピール

2015年7月に開催された図書館問題研究会全国大会は、「安全保障法案に反対するアピール」を採択した。同アピールは、法案が憲法に違反し立憲主義を破壊するものであり、その内容も戦争法案にほかならないものとして、法案への強い反対を表明している。そしてそこでは時の政権による憲法解釈の恣意的な変更がおこなわれれば、憲法を基盤として国民の権利、自由を保障する活動に基づく図書館の基礎を揺るがすものである。それは、過去の戦争によって内外の多くの図書館とその蔵書が破壊された痛苦な反省から同法案によってもたらされる状況に強い危機感を抱いている。

このアピールのあと2ヶ月後、その間に、法案は衆院で強行裁決され、参院に送られた。現在参院で審議中であるが、野党の質問に対して政府はしばしば答弁不能に陥り、矛盾した答弁や答弁の修正などが繰り返され、法案審議は遅々として進んでいない。

一方、戦争法案に反対する運動は、青年、学生、学者、文化人、弁護士、宗教者、労働組合など各界に大きく広がり、8月30日には国会を12万人の民衆が包囲し「戦争法案」反対の声をあげたのをはじめ、全国各地でデモや集会などの抗議行動が繰り広げられている。どの世論調査でも「法案を今国会では成立させるべきではない」との声が国民の多数となっているが、政府・与党は、国民の反対の声や不安の声に対して何ひとつ的確な説明をする事ができず、「法案への国民の理解は進んでいない」との認識を繰り返すばかりである。

政府・与党は現在、国民の理解がなくても今国会で法案を成立させるとの立場を取り、民意に反して法案成立を策している。衆院に引き続き、参院でも審議不充分なまま強行採決をするならば、それは、民主主義を破壊する法律を成立させる事であり、到底容認できるものではない。政府・与党には、民意に従って「戦争法案」を廃案にするよう、強く要求する。
「図書館は平和の時代に発展し、戦争の時代に衰退することは、古今東西かわらぬ真実」(『戦争と図書館』)という先達の至言のもとに、図書館九条の会は2004年に結成された。

今、憲法危機の時代に、私たちは、平和を希うすべての人々と共に「戦争法案!安倍政権退陣!8・30国会10万人、全国100万人大行動」成功を確信に、一点共闘を大きく広げ、戦争法案反対の世論で国会を包囲して廃案を勝ち取るために全力で闘う。
右決議する。

2015年9月 図書館九条の会

>> 「戦争法案」の廃案を求めるアピール(PDF)